空調・冷蔵・冷凍

室内温度の明確化

省人化と省力化で工場を最適化
食品工場におけるエネルギー消費の大きな要因の一つが、空調や冷却設備による温度管理です。必要以上の低温設定は冷却負荷を増大させ、電力コストを押し上げます。

そのため、設計段階で扱う製品や工程に応じた適正な室内温度基準を明確に設定し、無駄のない温度管理を行うことが重要です。

原料受入から加工、包装、保管に至るまでの温度要件を総合的に整理し、過剰な冷却を避けつつ必要な衛生環境を確保できる空調計画で、エネルギーを抑えながら安定した製造環境を実現します。

清浄度と換気回数の関係

未来を見据えて、脱炭素化
食品工場では衛生環境を維持するために換気や空調が不可欠ですが、清浄度をむやみに高く設定すると、大幅なエネルギー負荷を招く原因になります。

結果として、設備投資やランニングコストの双方で大きな負担となり、工場全体の収益性を圧迫することにもつながります。

このため、清浄度や換気回数は「目的」と「使用用途」に応じて適切な基準を設定し、必要以上に高スペック化しないよう、慎重に検討することが必要です。

居室と非居室の区分

トータルエンジニアリング
食品工場の空調設計では、「居室」と「非居室」を明確に区分することが、省エネと快適性の両立に大きく寄与します。
居室は人が滞在して作業を行うエリアであるため、温度・湿度・空気質といった温熱環境の基準をしっかりと満たす設計が求められます。

一方で、倉庫・機械室・副資材保管室などの非居室は、人の出入りが限定的であり、作業環境として高度な空調性能を必要としません。
これらを居室と同じ基準で設計してしまうと、必要以上の換気量や冷却能力が必要となり、建設コストおよびエネルギー消費が大きく増加してしまいます。

エリアごとの使用目的や滞在時間を踏まえて最適な空調区分を行い、居室は快適性と衛生性を確保し、非居室は必要最低限の換気にとどめることで、無駄のない空調計画を実現します。

期待効果

  • 設備仕様の過大設計を防止
  • エネルギーコストの最適化
  • 室内環境の適正管理と快適性の両立