建屋(衛生・床・間仕切り)

衛生環境への配慮

生産ライン重視
衛生管理においては、HACCP対応やゾーニングなど必須の要件を確実に押さえつつ、実際の製造フローに即した現実的で効果的な設備を選定致します。

食品工場は、他の工業製品に比べて利益率が低い業種であるため、過度なスペックや不要な投資は長期的な収益を圧迫します。
そのため、必要十分な衛生対策とコスト最適化のバランスを取ることが基本方針となります。

過剰な仕様や過度な耐久性を求めて建設コストが膨らむことを避け、生産性と利益を両立できる最適解をご提案します。また、設計・施工・メンテナンスを一貫して担うことで、初期投資から稼働後の運用までをトータルに最適化し、長期的に収益を生む工場へと導きます。

床材の設計

コストパフォーマンス重視
食品工場における衛生性と耐久性を左右する重要な要素のひとつが床・排水計画です。
扱う製品や工程に応じて、できる限りドライ環境を保てる床材を選定することは、カビ・細菌の発生を抑え、衛生管理のレベルを安定させるために欠かせません。

湿気や水分が残りやすい構造は、滑り・汚れ・腐食などのリスクを高めるだけでなく、設備や建物自体の劣化につながり、長期的な維持コストを押し上げる要因にもなります。

床材の選定だけでなく、排水勾配、側溝の位置、清掃のしやすさといった要素を設計段階から総合的に検討。常に乾いた環境に近づけることで、安心・安全な製造環境とメンテナンス性の向上を両立させます。

間仕切りと清浄度区分

徹底的に無駄を省く
食品工場において衛生管理の基本となるのが、製造エリアを衛生レベルに応じて区分する「ゾーニング」です。

「清浄区域」「準清浄区域」などの区分を設けることで、汚染リスクを最小限に抑え、安定した品質管理を実現できます。
しかし、ゾーンを細かく分けすぎると動線が複雑化し、建設コストや運用負荷の増大につながるため注意が必要です。

生産ラインの流れ、人の動線、物流(物の動線)を総合的に分析し、必要な衛生レベルを確保しつつ、無駄のない最適配置を設計。また、間仕切りには清掃性・保温性・気密性に優れた断熱パネルを推奨し、衛生環境の安定とランニングコストの抑制に貢献します。

過剰ではなく必要十分なゾーニングにより、衛生管理とコスト効率を両立した食品工場を実現します。

期待効果

  • 過剰仕様を避けた建築コストの抑制
  • 動線計画による作業効率・衛生レベル向上
  • 床と壁の適正化によるメンテナンス性の向上